膠の語源は、「煮皮」であり、もともとは牛、ヨーロッパでは食用としていたウサギの「皮」を煮て、これを精製して作っていました。
現在では、動物の皮、骨、腱、内臓の皮などを石灰水につけ、原料となるコラーゲン以外の成分を取り除き、水に入れて加熱、濃縮させて固めて製造しているようです。
この膠は古来より接着剤として使われてきました。
紀元前1470年のエジプト王の墓所の壁に、膠の製造工程が図解されており、その墓の副葬品の椅子や机の接着には膠が使われていたとのことです。
日本でも寺社、仏閣の施工に膠が使われていたようです。
シオン製品で使っている膠は、よくコーヒーに使う黒砂糖(ちょっと透明感のあるタイプのもの)を直径3汳度の細かい粒にしたものです。
この膠を天然接着剤「匠(たくみ)」の主原料にしているほか、水性塗料「木塗水(きとすい)」、「フロア&デッキマスター」にも使っています。
一般の油性塗料は、オイルが木に含浸することで効果を発揮すると思うのですが、シオンの水性塗料は、塗料が木に含浸する際に、膠の接着力もこれにプラスして効能しています。
また、膠は粒状のときは無臭です。
これを水に入れ、溶かすために温蔵庫(暖める蔵庫)で1日置くとほぼ溶けきります。(膠は暖めないと溶けないんです。)
これを1〜2日、23℃くらいで放置しておくと、すぐに腐敗してきます。
膠はタンパク質でできているので水に溶かしただけですと、すぐに腐敗します。
この膠の腐敗を止めるために、以前使われていたのがホルマリンであるとのことです。(死体をホルマリン漬けにしたのも腐敗を防止するためです。)
当社では、この膠の腐敗を防止するために接着剤では「木酢液」を、木塗水では「青森ひば油」を使っています。
「天然物である膠を同じ天然物で保存させる」、これが当社のコンセプトとなっています。
(シオン通信より) |